
出典:http://microdiet.net/
昨今「トランス脂肪酸」という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。
食品中にトランス脂肪酸が多く含まれている食品があり、それらを長年にわたって摂取していると病気になると言われていて、海外では食品に含まれるのを禁止する国も出てきました。
そこで、どうして危険なのか、摂取量はどれくらいなら大丈夫なのか、日本では危険性をどうとらえているのか、など気になる疑問を調べて見ました。
目次
マーガリンの危険性!トランス脂肪酸って何??

出典:http://drnote.jp/
トランス脂肪酸とは・・・
トランス脂肪酸という響きを聞いただけでは一体どんな物質なんだろう??という方も多いと思います。
トランス脂肪酸は、天然の食品と油脂加工・精製でできるものの二通りがあり
天然の食品、牛肉・羊肉・乳製品には、牛や羊の胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が微量に含まれています。
油脂加工・精製でできたトランス脂肪酸は自然界には存在しない物質です。
この自然界には存在しない、油脂加工・精製でできたトランス脂肪酸が危険だと言われているのです!
アメリカやヨーロッパは天然のトランス脂肪酸と油脂加工などした人工のトランス脂肪酸を区別して規制しています。
なぜマーガリンが危険なの?
マーガリンが植物性の油だから、バターなどの動物性の油よりも健康にいいと思っている人は多いと思いますし、動物性の油の食べすぎは、心筋梗塞などのリスクを高めます。
植物性の油が不和脂肪酸を多く含むので、コレステロールを下げる働きがあり健康的だと言われていますが、植物油は酸化しやすいので劣化が早く、日持ちしません。
バターはお菓子やパンなどに欠かせないものですのですが、価格も高いため、バターに変わる植物油として登場したのがマーガリンです。
マーガリンは、水素添加という化学処理によって、植物油の性質を変え、腐ったり、いたんだりすることのない油として登場しました。
現在は、バターに変わるものがマーガリン、お菓子やパンなどにはショートニングという名前で使われている無味のマーガリンがあります。
ドーナツやクッキーなどを食べるときに、サクサク・ふわふわにしてくれるのがショートニングです。
マーガリンは食品の中でも圧倒的にトランス脂肪酸が多く含まれているので、危険だといわれているのです。
でもちょっと考えてみてください。
腐らない、いたまない食べ物って怖くないですか。
肉や魚、お米、野菜、牛乳、お水などの食品は、日にちが経てば腐ったり、いたんだりするのが普通です。
マーガリンが腐らないのは、マーガリンを顕微鏡で見ると、なんとプラスティックの構造に大変似ていることが判明しているから。
ただ、これらの説も、構造が似ているからと言って「プラスチックではない」という声や、「プラスチックです」という両方の声もあるのも、また事実です。
こちらでは腐らない食べ物の例として、マクドナルドのハンバーガーとポテトを979日放置された「ハッピーミールプロジェクト」なるものを行っている人がいて、その画像が衝撃的でしたのでご紹介します。
⇒まだ続いていたマクドナルド、ハッピーミール放置のプロジェクト、979日後のハンバーガーとポテトの状況画像
ご覧いただいた方は、分かると思うんですけれども、長期間放置されていても腐っていません。
食品が979日放置されていても腐らないのはどうゆう事なのか・・・。
口にいれたもので、人の体は出来ています。
これだけ飽食の時代、手軽に色々なものを食べられます。
気にしすぎたら何も食べられなくなってしまうかもしれませんが、出来るだけ体にいいものを取り入れたいですね。
トランス脂肪酸を含む食べ物

出典:http://www.favy.jp
例えば山﨑製パンで出している栄養成分表によると、菓子パンの中にトランス脂肪酸の数値が高い食品がありました。
詳しくはこちらから
この中には「食パン」「菓子パン」「和菓子」「洋菓子」のカテゴリーわけがされていて、特に「菓子パン」のカテゴリーにある一部ドーナツや菓子パンなどに高い数値が記載されていました。
消費者にきちんと情報を開示してくれていますね!
山﨑製パンに限らず、他の企業で作っている食品や冷凍食品でもトランス脂肪酸は使われています。
<トランス脂肪酸が含まれる食品一例>
・インスタント、レトルト食品
・フライドポテト、フライドチキン
・菓子パン・ケーキ・クッキー・ポテトチップス
・冷凍食品
企業の中には、トランス脂肪酸の数値を公表していない会社もありますが、気になる方は購入した食品の会社のホームページなど検索されてみてください。
どうして体に悪いの??長年摂取すると病気に?!
トランス脂肪酸を摂取することで引き起こされる病気
トランス脂肪酸を長年摂取していると、次のような病気を引き起こす大きな原因として世界中で問題となっています。
トランス脂肪酸は、心筋梗塞や狭心症などの心臓疾患のリスクを増加させると言われています。
トランス脂肪酸を摂取することによって、引き起こされると考えられている病気。
<心臓病>
<ガン>
<糖尿病>
<子宮内膜症や不妊症などの婦人病>
<アトピー性皮膚炎>
<アレルギー>
調べれば調べるほど、色々な病気が出てきました。
もちろんトランス脂肪酸だけが原因ではないと思いますが、それにしても体に良くない事だけは、はっきりとわかります。
日本と海外の対策の違いは

出典:http://kisaragi25.seesaa.net/
2003年にWHOは、1日当たりの摂取量を1%未満に抑えるよう勧告しています。
なぜアメリカでは禁止になったのか
2015年6月16日に米国食品医薬品庁(FDA)が公表した文書にはこう記されています。
「部分水素添加油脂(partially hydrogenated oils =PHOs)」とは、液体の植物油に水素を添加してつくる半固体または固体の油脂のこと。マーガリンやショートニング、クッキーやケーキ、スナック菓子等 に多く含まれます。この水素添加の際にトランス脂肪酸が多く生成され、それを除去するためFDAは3年後にPHOsの食品への使用を原則禁止にする、とい うのが今回の決定の趣旨です。
引用元:FOOCOM.NET http://www.foocom.net/column/cons_load/12891/
この記事によると、PHOsというが対象となるのであって、実はトランス脂肪酸ではないんですよね。
そして規制されるのは人工のトランス脂肪酸だけです。
天然のトランス脂肪酸は規制されませんので、食事で摂取しても問題ありません。
アメリカは特にトランス脂肪酸が含まれる食品を日本より大量に摂取しているので、病気などの発症リスクも日本より高いです。
ちなみに、トランス脂肪酸の平均摂取量は米国で1日あたり5・6グラム、総エネルギーの2.2%、日本では1日あたり0.7gで総エネルギ―の0.3%と大幅に違いがあります。
アメリカは国をあげて規制することで、少しでも健康に留意する必要があるのでしょう。
逆に言えば強制的に規制しないと、大量に食事から摂取してしまう事が分かってるからですよね。
日本での規制は?
日本ではトランス脂肪酸の表示義務はありません。
現在は「任意表示」にとどまっています。
ですから、企業が独自に情報を開示してる以外は、公表されていません。
アメリカよりも日本の方が摂取量が少ないのは間違いありませんが、ファーストフードや冷凍食品、菓子パンなどの生活を長年続けていたら、摂取量は増える一方です。
トランス脂肪酸について一つ言えるのは、人工のトランス脂肪酸は体に良くありません。
そのことをしっかりと認識した上で、毎日食べるものを意識していきたいですね!
まとめ
・トランス脂肪酸は、天然のものと人口のもの2種類ある
・人工のトランス脂肪酸はマーガリンに一番多く含まれている
・トランス脂肪酸は、菓子パン・クッキー、冷凍食品、レトルト食品、カップ麺など身近な食材にも使われている
・日本での表示義務はなし、現在は任意表示のみ。アメリカでは3年後に食品への使用を原則禁止に。